かつらがばれた



だが、そんなBさんに悲劇が訪れた。

まず、貼るかつらのしくみを紹介しておこう。
通常、2〜3週に1度、サロンを訪れて再装着を行う。
つまり、いったん、かつらを外し、髪を剃ったり、かつらに付着した汚れを落とすというメンテナンスを行う。 そして、接着剤を塗り直して、もう一度、元通りに貼るのだ

接着剤は、時間が経てば汗や皮脂のためにだんだん剥がれてくるため、接着剤の塗り直しは必ず行わなくてはならない。
これはどこの会社の貼るかつらでも同じである。
(会社によっては、接着剤を塗り直すのではなく、使い捨てる場合もある)
いつまでも接着力が衰えない接着剤があればよいのだが、残念ながら そういう理想的な接着剤は存在しない。

それに、頭皮の痒みがあったり、かつらの下の自毛が伸びてきて剃らないといけないなど、 メンテナンスフリーというわけにはいかない。

Bさんは、いつも2週間に1回、土曜日にサロンを訪れていた。
だが、この日は朝から試合があり、サロンの予約は翌日の日曜日にしていたのだ。

(続く)